大腸内視鏡検査とは、肛門から内視鏡(先端に高性能カメラがついた細いチューブ)を挿入して大腸全体を観察する検査です。
便潜血陽性の際の大腸の検査、大腸ポリープの経過観察、炎症性腸疾患の内視鏡による診断を行います。
内視鏡装置
内視鏡装置
当クリニックでは、オリンパス社製、最新鋭の内視鏡システム本体を導入しています。
従来の機種に比べより明るい視野が確保できるようになり、CCDカメラの性能も上がったため飛躍的に鮮明な画像が撮影できるようになりました。それにより従来よりも詳細な観察が可能になり、数mm単位の小さな病変も発見できるようになりました。
がんなどの微細病変の早期発見に貢献する狭帯域光観察(NBI)が進化したことで観察性能が一段と向上。
その他にもスコープの操作性を上げる様々な機能が盛り込まれた、患者さんの苦痛をより低減するやさしい内視鏡装置です。
大腸カメラ
オリンパス社製大腸スコープ
カメラの挿入の苦痛や違和感に加え、従来、大腸カメラでは送気を空気でおこなっており、検査終了後もお腹に張りや痛み、違和感がありました。これが大腸検査が敬遠されてきた大きな理由です。当クリニックでは、より苦痛や違和感が低減できるよう努めています。
高解像度CCDカメラ採用で、先端部外径11.3mmの細径と高画質を両立。
細径化とスコープの硬度を任意に変えることができる「硬度可変機能」の搭載により苦痛の少ないスムーズな大腸挿入をサポートしています。
大腸内視鏡検査 大腸がんの予防と早期治療のために
近年、大腸がんは増加傾向にあり、この20年で死亡者数は2倍に増加、女性のがん死亡原因では第1位になっています。
そのため、大腸がん検診は現在広く普及しており、40歳以上の方であれば市区町村でも大腸がん検診を受けられます。
この一般的な大腸がん検診は、便に血が混じっていないかを調べる便潜血検査が行われますが、便潜血検査で陽性となった場合は大腸内視鏡検査を行うことを強くお勧めします。
大腸がんはある程度進行してしまうまで自覚症状がありません。大腸がんは早期発見できれば内視鏡での治療も可能ですし、ほぼ100%完治します。
出血するまでに至っていない早期の大腸がんを発見できるばかりではなく、がん化する恐れのあるポリープを内視鏡で切除することによってがんを未然に予防することができます。
大腸がんの検査として大腸内視鏡検査は大変有効です。
このような方に大腸内視鏡検査をお受けになることをお勧めします
- 健康診断の潜血反応が陽性だった
- 血便が出る
- 便が以前に比べて細くなった
- 便秘と下痢を繰り返す
- 切除していない大腸ポリープがある
- 大腸ポリープを切除したことがある
- 大腸がんが心配である
- 大腸がんの手術をしたことがある
大腸内視鏡検査の予約から検査の流れ
大腸内視鏡検査をご希望の方は、必ず予約してください。
(全腸型大腸内視鏡検査は検査前の説明や食事の注意が必要なため初診当日での検査は行っておりません)
*予約なしの「浣腸式大腸内視鏡検査」も行っており、突然の出血、痔、直腸ポリープ、S錠結腸ポリープ、腫瘍、虚血性病変などにも直ぐに診断します。
1.外来受診
外来にて医師の診察を受けていただき検査の予約をいたします。その際、内視鏡検査と、使用薬剤の説明があります。
2.内視鏡検査説明
看護師よりパンフレットを用いた検査前日・当日・後日の生活・食事指導をいたします。
3.内視鏡検査前日
パンフレットの内容をご参考にお食事してください。
4.内視鏡検査当日
(1)前処置
安全に検査を行うため基礎疾患のある方、ご高齢の方は胸部レントゲン、心電図(エコー検査)をさせていただく事もございます。
問診後、腸管洗浄液を飲んでいただき、腸の中をきれいにします。
検査中の安全のために点滴、モニター装着をします。
(2)検査
内視鏡検査には医師のほかに必ず看護師が同室し検査を受けられる方の状態を常に観察します。
(3)内視鏡検査結果説明
医師より写真をお見せしながら詳しく説明いたします。必要に応じて内服薬が処方されることがあります。
5.トイレ付個室完備
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の前処理のためのトイレ付き個室を用意しております。
まわりの方の目を気にすることなく、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることが出来ます。
検査前の下剤の服用について
大腸内視鏡検査は、「検査前の下剤(腸管洗浄剤)の服用が辛い」という患者さまからの声を数多くお聞きします。このことを少しでも改善するために、当クリニックでは、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の前に飲むお薬の種類を多数取り揃えております。
当クリニックでは、患者さまの ①年齢 ②日々の排便状況 ③既往症をもとに最適な下剤を下記の4種類の中から提案させて頂いております。
- モビプレップ
- ニフレック
- ビジクリア
- ピコプレップ
モビプレップ(液剤)
※当クリニックで最も使用している下剤になります。
モビプレップはお薬を水で溶かして飲むことで腸管内をきれいにするお薬です。
この製剤のメリット | 薬剤の服用量が少なく済みます。 |
この製剤のデメリット | 薬剤の半分量の水、又はお茶、麦茶、ウーロン茶、紅茶(糖分の入っていない物)を服用します。 |
飲み方 |
・パックに水を入れて2000mlにし、1000mlを1時間かけて飲みます。 ・飲んだお薬の半分量の水分を取ります。 ・飲み方の目安はコップ1杯(約180mL)を10分かけて飲みます。 |
右の診断を受けた方は本剤をお選び頂けない場合があります。 | ・腎臓に疾患をお持ちの方 |
ニフレック(液剤)
ニフレックはお薬を水で溶かして飲むことで腸管内をきれいにするお薬です。
この製剤のメリット | 服用方法が簡単である。腸管内の残渣が少なく、正確な検査が期待できます。 |
この製剤のデメリット | レモン風味の特有の味があり、個人によっては飲みにくいと感じることがあります。 |
飲み方 |
・パックに水を入れて2000mlにし、2時間かけて飲みます。 ・飲み方の目安はコップ1杯(約180mL)を10分かけて飲みます。 ・最初の2~3杯は15分以上かけてゆっくり飲みます。 |
ビジクリア(錠剤)
ビジクリアはお薬(錠剤)を水分と一緒に飲むことで腸管内をきれいにするお薬です。
この製剤のメリット | 錠剤を飲む時は水、お茶、麦茶、ウーロン茶、紅茶(糖分の入っていない物)でお飲みいただけます。 |
この製剤のデメリット | 錠剤が大きく個人によっては飲みにくいと感じることがあります。 |
飲み方 |
・2000mLの水分と、錠剤50錠を2時間30分の速さで飲みます。 ・飲み方は錠剤5錠をコップ1杯の水分(約200mL)で15分かけて飲みます。これを10回繰り返します。 |
右の診断を受けた方は本剤をお選び頂けない場合があります。 |
・心臓に疾患をお持ちの方 ・腎臓に疾患をお持ちの方 ・年齢が65歳以上の方 ・高血圧の治療を受けている方 |
ピコプレップ(液剤)
ピコプレップはお薬を水で溶かして飲むことで腸管内をきれいにするお薬です。
この製剤のメリット | 薬液はオレンジ風味で量が少なく(150ml×2回)、薬液後の透明な飲み物は、患者さまがお好きな物をお飲みいただけます。 |
この製剤のデメリット | 前日の夜と検査当日の2回の服用が必要です。 |
飲み方 |
・水に溶かしたお薬150mlを前日の夜と当日の2回飲みます。 ・前日はお薬の後、透明な飲み物1250ml以上を2~3時間ほどで飲みます ・当日はお薬の後、透明な飲み物750ml以上を1~2時間ほどで飲みます。 |
右の診断を受けた方は本剤をお選び頂けない場合があります。 | ・腎臓に疾患をお持ちの方 |
費用
1割負担 | 3割負担 | |
大腸内視鏡(観察のみ) | ¥2,000前後 | ¥6,000前後 |
大腸内視鏡+病理組織検査 | ¥3,000~5,000前後 | ¥10,000~15,000前後 |
事前検査分(血液検査ほか)などは含まれておりません。
御来院の際は保険証をお忘れなく。
清潔に検査を受けていただくためにディスポーザブル検査着料(お尻の部分が開いている検査着)を頂いております(¥220)。